医療DX化が進む中でのPRO利活用、ePROとは?

こんにちは。3H P-Guardian、運用担当の鈴木です。本日は改めてePROとは?の基本情報をご紹介したいと思います。
電子マネーによる決済、書類のペーパーレス化、出社不要な働き方……。近年、日常生活のさまざまな場面でDX(デジタルトランスフォーメーション)とも呼ばれるデジタル化が進んでいます。

 

ePRO(イープロ)もその中の一つです。

詳しい説明はサイト内「ePROとは」ページをご参照ください。

https://www.3hpguardian-epro.com/epro

 

今日は基本的な情報として、「ePROとはどんなものなのか」「どのようなシーンに使われるのか?」「ePROを活用するとどんなメリットがあるのか」を簡単にご紹介いたします。

 

ePROとは?

臨床研究・診療食品試験・で使われることのあるePROは、日本語では「電子的患者報告アウトカム」と訳されます。では、この「PRO=患者報告アウトカム」とは、何なのでしょうか?

 

そもそも「PRO」って何?

 

臨床試験では、患者・被験者さんのさまざまなデータが収集され、薬剤などの有効性、安全性の検証に活用されます。近年、患者や被験者ご自身から、有効性・安全性、さらには有用性の評価につながる情報を直接集めることの重要性が認識されつつあります。

 

これまで患者からのデータ(PRO)は、主に紙(paper)を用いて集められており、これはePRO(イープロ)に対してpPRO(ピープロ)とも呼ばれて運用されてきました。

診療におけるPROは、医者が目に見えない評価(QOLや痛みなど)を必要とする際、特にオンコロジー領域や疼痛領域、緩和ケア等では取得されることが多いようです。

 

 

ePRO」って何?

こうした患者・被験者からの情報を電子的に集めるのが「ePRO=電子的患者報告アウトカム」です。

 

臨床試験参加時には専用のアプリケーションを普段使われているスマートフォンにインストールするパターンもあれば、すでにアプリがインストールされたスマートフォンを貸出するケースもあります。3H社ではデバイスレンタルも行っております。

ePROを使った試験は以下のようなイメージとなります。

臨床試験に参加した後、スマートフォンに質問が送られてきます。

その質問に対してアプリ上で回答し、送信をします。

例)質問:今朝試験薬をのみましたか? 回答:はい、のみました。

  質問:今朝の体温は何度でしたか?測って教えてください。 回答:36.5℃ 

ePROを活用するメリットは?

では、ePROを活用することで、患者・被験者さんご自身、そして導入する医療施設や企業は、どのような恩恵を受けることが期待できるのでしょうか。

 

患者・被験者のメリット

まず、患者・被験者さんのメリットとして、以下のようなことが期待されます。

 

・手書きのわずらわしさがなくなる

・郵送や持ち込みの手間がなくなる

・紛失のリスクが少なくなる

・アプリを開けばいつでも簡単に入力ができる

・アプリからのプッシュ通知で回答すべき時が明確である など

・診察時間内では伝えづらい、自身の主観的な症状を訴えることができる

→本当のことを伝えるのに遠慮がちな、奥ゆかしい気質の日本人にはぴったり??なツールなのでは?と個人的には思います。

 

医療施設・CRO・製薬会社等の企業のメリット

一方、ePROを導入する医療施設・企業等は、以下のような恩恵を受けることが期待されます。

・紙の質問票の作成やそれにともなう人件費・印刷費の削減に繋がる

・紙から電子データへの入力業務が不要になりデータの集計や管理が容易になる

・服薬状況の確認(リマインド)など、電話対応であった業務がアプリ上で完結する

・正確なデータ入力日時の確認が可能になる(データの質の担保に繋がる) など

 

このほかにも、リアルタイムにデータを確認できることから、重大な副作用が疑われる場合、より早期に確認・対応できることが期待されるなど、「医療機関・企業」と「患者・被験者」に関わる双方にとって利点のあるシステムといえます。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。今回は、「ePRO」の基本的な情報をご紹介いたしました。

 

臨床試験やモニター試験だけでなく、病院での診療時の問診票や入退院後の場面でもePROを活用した情報の取得は、今後ますます増加していくことが予想されます。

次回は「診療現場で使われるePRO」のご紹介をしていきたいと思います。

 

ePROにご興味をもたれた方は是非お問い合わせください。

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